生態工学会とは? 活動状況 生態工学会誌 入会案内 リンク トップ頁
基本方針
| 総会報告 | 事業計画 | 2009収支決算 | 2010予算 |
 2010年度 生態工学会 総会報告   

2010年5月14日(金) 13時〜13時45分、沖縄県農業研究センターにて生態工学会2010年度総会が開催された。報告および承認された内容を以下に示す。

(1)総務委員会(総務部門/庶務)

1.2009年度総会

総会(2009/6/19、筑波大学大学会館)では、2008年度の活動報告、会計(監査)報告、2009年度事業計画及び予算について審議し、承認された。

2.理事会

1)第1回理事会
2009/5/29に開催し、2009年度年次総会の議案を審議し、承認された。
2)第2回理事会
2009/10/15に開催され、各委員会活動の中間報告と今後の予定について審議・承認された。2010年次大会の開催場所、日程が審議され、2010/5/14-15、沖縄県農業研究センター(糸満市)での開催が承認された。
3)第3回理事会
2010/2/22に開催され、2010年年次大会(2010/5/14-15)、学会賞候補者の選考結果等の案件について審議、承認された。

3.総務委員会

総務委員会を4回(2009/5/29、6/19、10/15、2010/2/22)開催し、委員会活動全般につき協議した。

4.会員状況

入会勧誘を年次大会、シンポジウム等のイベントや学会誌、ホームページなどを通じて行った。2010/4/1現在の会員数は下記の通りで、2009年度末と比べて学生会員は5名増加したが、正会員が10名減少し、会員全体では5名減少した。また、賛助会員については増減なく、2009年度の会員数、参加口数を維持した。
会員数 (2010.4.1現在、カッコ内は2009.4.1との比較)
正 会 員 341名(10名減)
学生会員 32名(5名増)
合  計 373名(5名減)
賛助会員 13団体18口(増減なし)
耐圧硝子工業株式会社(1口)、清水建設株式会社(1口)、ダイキン工業株式会社(2口)、株式会社フジタ(1口)、三菱重工業株式会社(1口)、日揮株式会社(3口)、ホテイ産業研究所(1口)、財団法人環境科学技術研究所(1口)、株式会社サイエンテック(2口)、ヤンマー株式会社(2口)、富士ゼロックスクロスワークス株式会社(1口)、宇宙システム開発株式会社(1口)、岩崎電気株式会社(1口)

(2)編集委員会

1.生態工学会誌の発刊

 生態工学会誌「生態工学」21巻2号〜22巻1号(2009年4月、7月、10月、2010年1月発刊)を発行した(内容:原著論文12、総合論文1、報告2、特別・記念寄稿3、お知らせ、投稿規程、総ページ179)。学術論文を中心とした内容となっている。新記事として定例研究会報告者による報告記事が21巻 4号より掲載されている。また、21巻4号までをJ−STAGE上の電子ジャーナルとして公開した。

2009年度Eco-Engineering(生態工学)掲載論文一覧

種 類

第21巻

第22巻

特別寄稿

 

 

 

特集論文

 

 

 

 

原著論文

短報

 

 

 

総合論文

 

 

 

定例研究会報告

 

 

受賞記念寄稿

 

 

総会報告

 

 

 

2.学会誌の日本語表記変更について

当学会は、その名称にも示されているとおり、「生態工学」というキーワードを重視している。この語の重要性を鑑みて、編集委員会および理事会において学会誌の日本語表記を「生態工学」とすることについて議論を重ね、1月発行の第22巻1号より、学会誌の日本語表記を「生態工学」とすることになった。なお、英語表記は従来どおり「Eco-Engineering」を用いる。

3.投稿規定の改訂について

上記日本語表記の変更に伴い、投稿規定を改訂した。また、本文中の引用文献の表記方法およびWeb サイトの文献の引用方法を明確に定めた。

4.印刷業者変更の結果について

7月発行の第21巻3号より印刷業者を変更し、ページ単価の出版費を約4割削減した。

5.JST電子アーカイブ事業への応募

JSTでは、国内の特に重要な学術雑誌について過去の紙媒体の論文に遡って創刊号から電子化する事業を行なっている。本年度の募集に応募したところ、採択されるに至った。「Eco-Engineering」誌以前の「CELSS Journal」について創刊号から無償で電子化され、J-STAGE上で閲覧可能となる予定。

6.学会賞候補者の推薦について

論文賞、奨励賞候補者の推薦を行った。

7.編集委員会の実施

2009年度は一回の編集委員会および三回の定例メール会議を実施した。

(3)企画委員会

1.日本地球惑星科学連合2009年大会(合同開催)

日  時 2009年5月16日(土)〜21日(木)
場  所 幕張メッセ(千葉県千葉市)
主  催 日本地球惑星科学連合
特記事項 今年度はセッションを企画しなかった。

2.2009年度生態工学会年次大会(主催)

日  時 2009年6月19(金)、20日(土)
場  所 筑波大学 大学会館(茨城県つくば市)
参加人数 120名(会員75名、一般45名)
特記事項

一般セッション口頭発表  :4セッション 21課題
ポスターセッション講演発表:会員37課題 一般 5課題
特別企画「地球環境の未来を科学する―育む芽生え!育つ萌芽!」を実施した。

3.農業環境工学関連学会2009年合同大会(合同開催)

日  時 2009年9月15日(火)〜18日(金)
場  所 東京大学 駒場Tキャンパス
参加学会

日本農業気象学会、生態工学会、農業機械学会、農業施設学会

特記事項

オーガナイズドセッション「水産における物質循環と複合養殖」を企画し、下記の講演を行った(オーガナイザー:遠藤雅人・増田篤稔)。

  1. 養魚廃棄物を用いた餌料生物培養の試み
    遠藤雅人、竹内俊郎(東京海洋大)
  2. 排水再利用型ワムシ培養システムの開発
    小林孝幸(荏原実業)、長瀬俊哉(バイオジェニック梶j、竹内俊郎(東京海洋大)
  3. 微細藻類培養に関するガス動態
    増田篤稔(ヤンマー梶j、村上克介(三重大)
  4. サツマイモ水上栽培とティラピア養殖を組み合わせた複合生産システムの開発
    北宅善昭、平井宏昭、サイフルイスラム(大阪府大)
  5. 閉鎖循環式での複合養殖の試み
    菊池弘太郎、本田晴朗(電力中央研究所)

4.第53回宇宙科学技術連合講演会(共催)

日  時 2009年9月9日(水)〜11日(金)
場  所 京都大学吉田南キャンパス
主  催 日本航空宇宙学会
特記事項 オーガナイズドセッション「宇宙で生きる! 〜地球・宇宙圏での人間生存環境〜」を企画し講演を行った。

5.生態工学定例シンポジウム(主催)

日  時 2009年11月6日(金)10:00〜17:30 情報交換会 17:30〜19:30
場  所

東京大学 弥生講堂一条ホール

参加人数 66名(会員35名、一般21名、学生会員3名、一般学生7名)、情報交換会 30名
特記事項

テーマ「エネルギー・資源循環利用と食物生産工場」に関する7件の講演を行った。

  1. 閉鎖型生態系実験施設を用いた植物栽培と循環技術の利用
    新井竜司(環境技研)
  2. 閉鎖居住実験における食品の自給 
    小松原修(環境技研)
  3. 宇宙農業と植物の低圧耐性
    橋本博文(JAXA)
  4. バイオ光化学電池を用いた太陽光による物質・エネルギー循環
    金子正夫(潟oイオフォトケモニクス研究所所長)
  5. 植物工場の新しい可能性について
    大山敏雄(竃菜工房)
  6. 緑の革命から青の革命へ「日本初・閉鎖循環式屋内型エビ生産システム」
    野原節雄(潟Aイ・エム・ティー)
  7. オランダにおけるグリーンハウスオートメーションと環境対策
    大政謙次(東京大学)

6.2009年度定例研究会(主催)

第1回
テーマ 「根圏細菌を利用したバイオ水素発酵の可能性」
日  時 2009年5月29日
場  所 東京文化会館 中会議室No1
講  師 土肥 哲哉氏(東京大学)
参加人数 約20名
第2回
テーマ 「ヤンマー選果システム開発の事例紹介」
日  時 2009年10月15日
場  所 東京文化会館 中会議室No1
講  師 山田 久也氏(ヤンマーグリーンシステム梶j
参加人数 約20名
第3回
テーマ 「木質バイオマスの形成 -巨大な樹木の細胞分裂と分化-」
日  時 2010年2月22日
場  所 東京文化会館 中会議室No1
講  師 船田 良先生(東京農工大学)
参加人数 約20名

(4)表彰委員会

1.表彰式の実施

2009年度総会(2009年6月19日、筑波大学 大学会館)後に表彰式を行ない、以下の通り表彰した。さらに、学術賞と功労賞の受賞者による記念講演会を行った。
【特別功績賞】
玉浦 裕 /エネルギー分野の研究推進と会長としての生態工学会の発展への功績
【生態工学会賞学術賞】
皆川秀夫 /畜産を核とした畑作・稲作との資源連携による持続農業の追求
田澤信二 /生物(植物・昆虫)系への光放射応用に関する研究
【生態工学会賞功労賞】
泉谷直昭 /生態工学会の運営と生態工学の普及への貢献
唐木 正 /生態工学会の運営と生態工学の普及への貢献
【論文賞】
石川芳男 /微生物生態系(マイクロコズム)の理論的研究
【奨励賞】
多久俊平 /Ce-Zr系酸化物を用いた二段階水分解反応によるソーラー水素生産
中根昌克 /マイクロコズムの数学モデル−系の多様性と安定性−

2.2009年度年次大会における優秀発表の表彰

2009年度年次大会(2009年6月19日、20日 筑波大学 大学会館)における優れた研究発表に対して、以下の通り表彰した。なお、講演優秀発表賞、講演特別奨励賞は本大会のために特別に設けたものである。
【講演論文賞】
小川光平 /亜寒帯海草群落生態系における二酸化炭素固定に関する研究
中林和重 /点滅光照射がサンゴの生育におよぼす影響
【講演優秀発表賞】
新井真由美/火星を想定した宇宙農業におけるラン藻の活用
山口芽衣 /ヤマトシジミ(Zizeeria maha argia)の産卵刺激物質
岩堀悠樹 /発芽する環境を変化させたセイロンベンケイソウの不定芽の成長について
【講演特別奨励賞】
藤森祥平 /Dactylorhiza praetermissa におけるSpiranthes sinensis var. amoena 由来の菌との共生発芽
神奈川県立平塚農業高等学校 園芸科学研究班 /宇宙環境が植物の生育に及ぼす影響
岐阜大学教育学部附属中学校 自然科学部   /桜の発芽の研究

3.受賞記念講演と学会誌への寄稿

学会賞受賞者に会誌への寄稿を義務づけ、実施した。

4.被表彰者の選考

被表彰候補者について審議し、以下の通り選考した。
【特別功績賞】
大桃洋一郎/閉鎖型生態系実験施設の研究推進と生態工学会の発展への功績
木部勢至朗/有人宇宙技術分野の開拓・推進による生態工学会の発展への功績
【生態工学会賞学術賞】
石川芳男 /微生物生態系(マイクロコズム)に関する一連の理論的研究
江村 薫 /昆虫管理および作物栄養生理による環境保全型農業の構築に関する研究
【論文賞】
北野雅治 /濃縮海洋深層水の高品質トマト水耕栽培への有効利用
村上克介 /ユーグレナの光合成生育および栄養成分に与える光質とCO2濃度の影響
【奨励賞】
日高功太  /濃縮海洋深層水の短期施用による高品質トマト水耕栽培
中井洋平  /航空機及び可搬型スキャニングライダーを用いたケヤキ群落の葉面積密度分布の推定
王丸哲文  /微生物生態系(マイクロコズム)における消費者の増殖速度と系のエントロピ生成量との関係に見られる相転移現象

(5)広報委員会

1.SEE Quick配信(メール配信)の運営

SEE Quick配信依頼に対する取り扱い方法の運用を通して、速やかな配信業務が成し遂げられ現在(4/16)までに287回情報提供を行った。一方、情報配信を希望しない会員に対してはその旨迅速に対応した。今後も円滑なSEE Quickの配信業務を行うとともに、問題点などを検証し改善に努めた。

2.HPの更新業務について

生態工学会第5期役員名簿に基づき、会長挨拶などの情報を更新した。

3.リーフレットの作成

会員の増加に向けて、学会の内容を掲載した、新しい宣伝リーフレットの原案を作成した。

(6)国際委員会
 諸般の事情により2008年度より休載となった「海外通信」について、会員の考えを諮るアンケートを実施した。その結果、若手が国際的に活躍できるための道標となる情報提供と企画の立案が国際委員会に強く望まれていることが明らかになった。そこで、これまでの内容を一新して「海外通信」を再開することとし、検討結果を学会誌22巻1号40頁に掲載し会員からの寄稿と情報提供を同時に呼びかけた。
 新たに企画する「海外通信」の内容は、おおよそ次の通り:@これまでは記事を偶数号に掲載していたが、今後は全ての号に掲載する、Aこれまで「海外通信」として単体であったが、今後は「海外情報」と「海外通信レポート」の2通りとする、B広く会員へ寄稿と情報提供を呼びかける、C投稿ならびに情報提供の専用メールアドレスを設定する。(補:専用メールアドレスとして、kokusai.see@gmail.comを設定済み。

(7)次世代科学社会活性化委員会
次期男女共同参画学協会連絡会における第9期幹事学会として日本宇宙生物科学会と共に引き受けることを承認された。

(8)事業推進委員会
東京工業大学ソリューション研究機構のビームダウン式太陽熱発電を開発、事業化を行うアジア太平洋サンベルト開発研究会の支援事業を実施した。

(9)研究部会

1.循環式水棲生物飼育研究部会および生物生産イノベーション研究部会活動報告
  (大政謙次・竹内俊郎・増田篤稔・遠藤雅人)

農業環境工学関連学会2009年合同大会(2009年9月15日(火)〜18日(金)、東京大学 駒場Tキャンパス)にて下記のオーガナイズドセッションを2研究部会合同で企画し、実施した。
セッションタイトル
<OS - 3>水産における物質循環と複合養殖
セッションの内容
現在、水産養殖分野における窒素・リン等の環境への負荷が大きな問題となっている。本OSでは水産養殖に関わる水棲生物の飼育・培養における物質循環を理解し、複合養殖等に代表される環境に負荷を与えない物質循環型システムの開発に関する試みについて紹介する。
オーガナイザー
遠藤雅人(東京海洋大学)、増田 篤稔(ヤンマー(株))
日 時
16日(水) 14:45-17:00 A会場
プログラム
遠藤雅人、竹内俊郎 
 「養魚廃棄物を用いた餌料生物培養の試み」
小林孝幸、長瀬俊哉、竹内俊郎
 「排水再利用型ワムシ培養システムの開発」
増田 篤稔
 「微細藻類培養に関するガス動態」
北宅 善昭、平井 宏昭、サイフル イスラム
 「サツマイモ水上栽培とティラピア養殖を組み合わせた複合生産システムの開発」
菊池 弘太郎
 「閉鎖循環式での複合養殖の試み」
総合討論
参 加 者
18名
特 記 事 項
生態工学会会員以外に数名の参加者があり、質問も幾つかあった。総合討論では養殖の現状や養殖における環境制御や物質循環系の構築についての話題が提供され、水工連携による自動飼育培養システムや農水連携による水耕栽培連携型養殖システムについての可能性についても議論された。

(10)2009年度会計報告・2009年度会計監査報告
2009年度の会計、収支決算は収支決算書の通りである。
| 総会報告 | 事業計画 | 2009収支決算 | 2010予算 |

| 生態工学会とは | 活動状況 | 学会誌 | 入会案内 | トップ |

生態工学会事務局  E-mail: office @ see. gr. jp