| 生態工学会では循環式水棲生物飼育研究部会を立ち上げ、水産学分野と工学分野を融合した水工連携による新たな水棲生物飼育技術の開発を目指したグループによる取り組みを実施している。一方、本学では大学院海洋科学技術研究科を中心に水工連携による水域生物工学プロジェクトを実施してきた。本プロジェクトは、1) 代理親魚による種苗生産システム、2) 先端的な工学技術を用いた陸上養殖、3) 魚類の行動制御による非囲い込み沖合養殖システムの3グループから構成されている。そこで今回は、他の2グループの成果を含め、閉鎖循環式養殖システムの最近の研究を紹介し、そのうえで課題を抽出し、特に今後の実用化に向けた取組に資することを目的とした。
これまで生態工学会の研究部会では、平成18年2月に「閉鎖循環式養殖システムの最近の進歩」と題したシンポジウムを皮切りに、これまで3回にわたり講演会を実施してきた。2回および3回目のタイトルはそれぞれ、「水産海洋における閉鎖系施設の現状と光による環境調節技術」、「閉鎖循環式飼育システムの現状と問題点」であった。これらのシンポジウムにより、数種魚類についての閉鎖循環式飼育システムの現状と問題点を明らかにし、水工両分野における知識や技術の融合により、新たな技術的打開を図り、産業的に成立する、あるいは特殊環境下での使用可能な具体的システムの構築を図ろうとしてきた。第4弾として今回は、上述したように、より産業化を図るための方策について各方面の専門家に参画いただき、ご講演いただくことにする。 |